箱入り単行本

 講談社では単行本の発行部数が10万部を突破すると「豪華・箱入り単行本」を記念に作ってくれるのです。と、いうわけで、めでたく10万部を突破している「亡国のイージス」と「終戦のローレライ」の箱入り本をご紹介。



「亡国のイージス」箱入り本
 まずはイージスから。

 こちらは本の外箱。よく辞書なんかが箱に入ってますよね? あんな感じです。が、辞書の箱なんかよりもっと頑丈です。多分、芯はボール紙、ちょっと分かり難いかも知れませんが、表面は布張りで、文字は銀の箔押し。「亡国のイージス」というタイトルと、「Aimless AEGIS by Fukui Harutoshi」、著者名が入ってます。この配置は通常の単行本の文字配置と同じです。
 こちらは箱から出した図。左が外箱、右が本です。外箱が布張りなのに対して、中身は革張り。かなりゴージャスです。クンカクンカとにおいを嗅ぐと革製品のにおいがします。歯医者のにおいに似ています。そう思うとちょっとヤな感じです。

 中身は背表紙にタイトルなどが、これまた銀で箔押しされていますが、こちらは表紙には何も書かれていません。

 ちなみに、背表紙には箱・中どちらにもしっかりと「講談社」という文字が入ってます。
 本の中身ですが、表紙が違うと言うだけであとは市販品と同じです。刷りは初版。当然ながら普通に読めます。

 巻末には「第46回 江戸川乱歩賞応募規定」なんかも載ってます。締め切りは2000年です。とっくに過ぎてます。軽く途方に暮れますが、気にしない方向で

 余談ですが、実はこの単行本版「亡国のイージス」初版の発行部数は8000部。その後、文庫化されたりなんだりでかなりの数を刷られているので、これはかなりレア商品です。持ってる人は結構自慢できます。誰に自慢すればいいのかは、わかりませんが。



「終戦のローレライ」箱入り本
 次に「終戦のローレライ」。

 これは箱の外観です。写真だとちょっと緑がかって見えますが、左が真っ黒で右が真っ赤です。

 黒い方が上巻、赤い方が下巻で、これは通常版の表紙カバーを外した状態と同じです。イージスと同じくボール紙の箱に布張り。イージスの布は横に繊維が走っていてそれが模様になっているのですが、ローレライは布目が目立たないものを選んでいるようです。

 上巻の箔は金、下巻の箔は銀色で、イージスと違い日本語でのタイトルは入っていません。
 外箱のアップ。かなり大きな箔押しです。船の航跡も、飛行機雲も精密に再現されています。

 わかりにくいと思いますが、左の箔は金色、右は銀色です。
 箱から出した状態です。

 箱から出すと、なぜか本の天面だけが金色に塗られています。しかもなぜか下巻も金色(下巻の箔は銀色)。この微妙な統一感のなさが、なにやら無性に気になりますが、考えても理由は不明。

 こちらもイージスと同じく中身は革張りなのですが、こっちは素直に革靴などの革製品のにおいがします。歯医者のにおいはいたしません。なぜ同じ革なのにこんな違いが…?

 そして、なぜか中身の背表紙は日本語表記です。帯などに書かれていたロゴと同じ文字で表記されています。
 さて、この中身ですがこれがなぜか上下巻ともに「第8刷」。イージスの方が初版は品薄なはずなのに、謎です。

 品薄と言えば、実はこのローレライ、発売前に初版分がはけてしまい、発売日当日にはすでに第2版も店頭に並んでいました。これは書店さんからの注文に対応するために急遽増刷したもので、実は初版よりこの2版の方が若干レアもの(初版3万部、2版2万部)だったりします。

 ちなみにこのローレライ箱入り本、上下巻の本の場合は「上下合わせて10万部突破」で作ってもらえるものらしいのですが、「上下とも10万部突破」が条件だと思い込んでいたため、本来作ってもらえる時期よりかなり後になって作られました。



 この箱入り本、基本的に著者への記念品として作られます。それゆえ、作られる数は極少。10部程度しか作られない超レア品です。お世話になった方へ記念品としてお送りしたりしているので、本人の手元にもあまり残りません。また、お送りした相手も、お金に困って古書店に売っぱらうような方々ではないので、喧嘩でもして、

「こんな奴の本、見たくもねえ!」

 と捨てられたり、売り飛ばされたりしない限り市場に出回ることはないかと思われます。

 もしもどこかで見かけたら…、「何かあったのね…」と遠い目をしてオトナの判断、このことはどうぞ忘れてください。