「作っていかなきゃ。
私たちの新しい言葉……」
微笑んでくれた少女も、
「おれも一緒に戦ってやる!」
叫んでくれた親友も、
みんなみんな いなくなってしまった。

残されたのは、胸に刺さったままの
悔恨の棘だけ。

それを抜いたら
流れ出す血で
ぼくは死んでしまうかもしれない。

けれど
それでもぼくは
そうするしか贖う方法を知らない。

あらすじ
 2006年秋、ネット財閥「アクトグループ」の役員を狙った連続テロが発生。公安警察は北朝鮮工作員の犯行と断定し、「ローズダスト」と名乗る5人のテロリストを追い始める。
 だが、そこには複雑な真相があった。ローズダストは、元は防衛庁情報局・通称「ダイス」に所属する工作員たちだった。彼らはある目的のために、北朝鮮の支援を受けて日本に戻ってきたらしい。

 リーダーの名は入江一功。まだ20代半ばの若さだが、工作員として稀有な才能を有していた彼は、行方不明だった3年の間にさらにその能力に磨きをかけていた。
 テロリストとして帰って来た狂犬を狩るために、ダイスは彼を良く知る者――丹原朋希を猟犬として放つ。

 元親友、だがその彼を殺すことだけが、4年前に「彼女」を失ってしまった自分にできる、唯一の贖罪……。

 朋希は愛憎を胸にローズダストを追う。

 一方、そんな朋希と偶然関わりを持った警視庁公安部の並河次郎は、ダイスにイニシアティブを握られることを嫌う公安上層部からの命令で、朋希と組んで捜査に当たることになった。
 年齢も、性格も、ローズダストを追う目的さえも全く異なる並河と朋希。自らの利権を守ることを第一とする警察、防衛庁、政府。足並みの揃わない彼らをあざ笑うかのように、ローズダストは東京を次々と炎に染めていく。

 「危機に弱い日本」「主権なき国家」「リベラルという思考停止」――恐怖を語る「古い言葉」に踊らされ、静かに狂っていく日本。ローズダストの真の目的とはなんなのか?
 
 互いを理解しながら憎しみあう朋希と一功、そして彼らを取り巻く人間たちの群像劇を通して、日本の未来について問いかける、壮大なスペクタクル・サスペンス!



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